今回は株式会社 三ヶ島製作所が誇る人気の売れ筋フラットペダルを3つ紹介します!!
株式会社三ヶ島製作所は、創業70年以上の老舗企業です。
三ヶ島ペタル(みかしまペタル)またはMKSのブランドで世界的にも有名です。
そこで、自転車メディアで活躍する今を生きる男 今田イマオさんが株式会社 三ヶ島製作所の弓場元さんにお話をお伺いしました。
株式会社三ヶ島製作所ってどんな会社なの!?
元々は三ヶ島村(みかじまむら)に住所があり、合併をして糀谷(こうじや)になっています。
地域の名前は三ヶ島(みかじま)なんですが、会社名は濁点を取って三ヶ島(みかしま)にしています。
海外のお客様とのやり取りを考えた際に、濁点を取ってきれいに響く、発音しやすいよう配慮を取ったと言われています。
戦時中1943年から私企業として成立していて、はじめはペダルではなく、航空機部品を鍛造で造っていました。
戦後1945〜6年頃から平和産業への切り替えで、自転車のペダルの軸を熱処理して東京の問屋に収める事業をしていました。
そこから、段々と設備投資をしてペダルを作るようになり今に至ります。
現在はペダルと車の部品を作っています。
創業70年以上、ペダルってどんな存在ですか!?
万が一、その工程をせず、熱処理を行わずに組み付けてしまった場合、そのペダルはすぐに『ポキッ』と折れてしまいます。
また、熱処理をした後にメッキをして1つの部品になります。
メッキ後、水素脆性(すいそぜいせい)によって物質自体が脆くなることもあり、予防処理が必要です。
工程毎に色々なリスクの要素が潜んでいて、1つ1つプロセスを見て管理しています。
適切な品質管理を行わないとペダルは簡単に折れてしまうと言うことを伝えたいです。
※水素脆性とは、水素脆性は鋼材中に水素が吸収されることによって、鋼材が脆くなる現象をいいます。 水素は、腐食、溶接、酸洗浄、電気めっきなどによって鋼材に吸収されます。 鋼材に水素が吸収されると脆化する理由については、はっきりしていません。
また、徹底した品質管理、工程毎の確認作業によって安全性が保たれていること、ペダルって当たり前のように自転車を動かすパーツの1つだと思っていました。
確かに体重を支えるのに、また長い距離を走る際や日常生活の移動手段として乗る自転車のペダルが突然折れてしまったら、命の危険を脅かす可能性があると思うと怖いです。
ペダルについて、前提に命に関わることが知れただけでも私にとって大変、大きな学びになりました。
自社熱処理による品質管理
材料を硬くして、耐摩耗性や引張強さ、疲労強度の向上を目的とする熱処理。三ヶ島製作所では自社に炉を完備し焼入焼戻しを行い、品質を管理。これにより、表面は硬く中心部は粘りのある耐久性の強いペダル芯棒ができる。ペダル芯棒のみならず、構造部品であるワンや玉押しなども自社生産-熱処理を行い、製品の精度や耐久性を高次元で徹底管理している。公式サイト参照:https://mkspedal.com/?q=ja/page/node/1
国内生産にこだわる理由を教えてください
品質管理だけでも追われる日々になってしまうので、今は国内に事務所と事務所の横に工場を構えています。
両隣にあることで、気になったことがあればすぐに声かけをして、品質管理している人間と製造している人間がコミュニケーションを取れるようになっています。
それが大きな強みでもあり、大事にしているところです。
時間を掛けて色々と試してきた結果が今に至ると思っています。
ペダルの役割、重要性としてどうお考えですか!?
グリップにしてもサドルにしても、自分に合わないと気持ちが悪く交換したことがあります。
ペダルについては意識したことがなかったですが今、経験談として思い返すと過去にノーブランド品のペダルを使用していたことがあります。
突然の雨で、しっかりペダルを踏むことができず滑って怖い思いをしました。
その後、グリップ力のあるMKSのペダルを購入して交換しました。
ペダル1つとっても、自分に合う合わないがあるんですね。
人気のフラットペダルを教えてください
オフロードからアーバンスタイルまで、多目的に使用できることから名づけられた「ALLWAYS」
- 攻撃性の低いスパイクピンを使用。
- 日常靴でも気軽に使用する事ができます。
- 靴の形状を考慮しペダル中心に向かってわずかに凹状になっているコンケーブ設計。
- これにより吸いつくように足位置を安定させ、ハードなスパイクピンでなくともグリップ力をもたらします。
- トリプルシールドベアリングを採用。
- なめらかな回転性能が快適なペダリングを提供します。
- ショットブラスト仕上げでスタイリッシュな外観。
- クリップレスストラップが取付可能です。
※ベアリングはメンテナンスフリーとなります。分解はしないでください。キャップはベアリング調整も担っておりますので、開封するとガタつきの原因になる可能性がございます。 ご注意ください。
特徴としては、コンケーブ設計で足の母子球の収まりを良くしています。※コンケーブ設計とは、ペダル中心に向かってわずかに凹状になっている設計。
スパイクピンは、通常はイモネジと言われる食いつきの良いものが採用されがちですが、ガチで乗っている人をターゲットにしていませんので、食いつきが控えめなものを採用し、スニーカーのようなソールが柔らかいシューズで使用しても傷つけかないようなコンセプトになっています。
また横幅はシティライドを意識し、一般的なMTB向けペダルに比べてやや狭くなっています。
その他には、トリプルカートリッジベアリングと言って、回転が滑らかなベアリング機構が特徴です。回転が滑らかになる事でペダリングが疲れにくくなります。
コンケーブ設計で足にしっかり吸い付いてくれる、またはペダリング効率が良くなるように考えています。
もちろんビンディングシューズと比べると固定力の差はありますが、実際に使用してくださったお客様からは 「ペダリングが軽くなった」と言うお声をいただいています。
SYLVAN GORDITO(シルバーゴルディート)『Gordito』はスペイン語で"ぽっちゃり"という意味
Gorditoはスペイン語で"ぽっちゃり"という意味を持ち、それは“ダーリン”のように愛情を込めた表現として使われます。
幅は94㎜とSylvan Touringと同サイズですが、縦を22㎜長い85㎜に設計することで、大きなプラットフォームにしっかりと足をあずけることができます。
快適な乗り心地を好まれる方のみならず、足のサイズの大きな方にもおすすめしたいペダルです。
従来品よりも少し"ぽっちゃり"としたSylvanの魅力をぜひ体感してください。
公式サイト引用:https://www.mkspedal.com/?q=ja/product/node/428
- ベアリングはカップ&コーンを採用。
- メンテナンスすることでより長く快適にお使いいただけます。
- 側板とそれを固定するM4ボタンネジは、万が一の破損に備えて補修パーツのご用意があります。
- 側板は、アルマイト処理されたブラックとシルバーの2カラーから選べます。
これまでのMKSのペダルは対面幅63mmのものが多かったです。トークリップの突き出しもこの寸法に合わせて設計されている為、中々この寸法を伸ばす考えには至りませんでした。
MTB系ペダルのようなカジュアルな感じではなく、スチールフレームに合うクラシカルなSylvanの形状で作ってほしいとアメリカのクラストバイクから要望があり作りました。
その結果、用途としてピストバイクでも良い、雪山を登山靴で自転車に乗っても良いと多用途で評価をいただいております。SYLVAN GORDITOのペダルもコンケーブ形状になっており、ギザをつけてフィーリングを良くしています。
実は細かな特徴だったりします!!
人気ペダルLAMBDAのブラッシュアップモデル/スパイクピン付きGAMMA(ガンマ)
時代の価値観に左右されることなく、独自の哲学で乗りやすくて実用的・普遍的なモノづくりを追究している サンフランシスコ郊外に工房を構えるRBW(リヴェンデル・バイシクル・ワークス) 彼らが愛用する「LAMBDA」ペダルに、滑り止めのスパイクピンを搭載した「GAMMA」。
リヴェンデルの要望により開発がスタートし、ピンの高さから配置まで細かく監修・共同開発をしたブラッシュアップモデルは、独自の縦長設計に加えて、より滑りにくい踏み面となっており、日常使いだけでなく、グラベルロードにも最適なペダルとなっています。
側板は薄くスタイリッシュになり、シルバーはショットブラスト仕上げのマットなテクスチャとなっており、少し武骨でハードなイメージに。 スパイクピンは六角穴付きM4ネジ式で、取替えも可能です。
実際に私もALLWAYSを愛用しています!
また、Gorditoはスペイン語で"ぽっちゃり"というネーミングセンスの良さに笑ってしましました。
はじめてのカスタマイズに、自分に合うペダルを探して交換するのも面白そうです!!
日本以外で、どこの国で売れていますか!?
サンフランシスコのメッセンジャーが使ってくださっています。
日本だと全体的に満遍なく売れています。輸出に掛かる物量コストもあり海外に送る際は、国内で買うより少し高くなる傾向にあります。
それによって、東南アジアだと価格帯の安いペダルが売れています。
あとは、最近だとデカペダルが流通するようになってきたりしています。インドネシア、香港、中国だと脱着式のペダルが折りたたみ自転車などで使われています。
最後に御社のペダルをどんな人に使ってもらいたいですか
今回のお話をお伺いするまで、ペダルの形状やペダルの品質まで考えたことがありませんでした。
当たり前に使えているのは、実は当たり前ではなく作り手のみなさんが、乗り手の私たちが怪我なく、事故なく自転車ライフを楽しめるようにと品質管理、安全確認をしてくれているんだと感じることができました。
また、本当にペダル形状も様々なので、自分のスタイルに合ったペダル選びや性能なども試してみたくなりました!!
また、是非色々と教えてください。ありがとうございました。
会社概要
- 名称:株式会社 三ヶ島製作所(ミカシマセイサクショ)
- 創業:昭和18年1943年
- 創立:昭和24年1949年
- 代表取締役会長 荻野 皓一郎
- 代表取締役社長 荻野 敏行
- 専務取締役 本橋 正男
- 住所:〒359-1166 埼玉県所沢市糀谷(コウジヤ)1738
- 事業内容:・自転車ペタル及同付属品の製造販売 ・自動車部品加工(プレス、溶接・組立) ・冷間鍛造、熱処理及び各種アッセンブリ ISO9001:2015 取得登録番号 Q2284 登録活動範囲 自転車ペダル及びその他自転車部品の設計、開発、製造。 自動車部品(シート関連部品、ドア関連部品及びその他部品) 鍛造部品の製造。
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