今回の記事は、自転車市場において注目を集めている「グラベルロードバイク」について、日本における需要の高まりやその理由について探りたいと思います。
また、世界的な市場動向から日本市場への影響まで、網羅的に解説します。
具体的には、グラベルロードバイクの特徴や需要増加の背景、需要増加に伴いデータや事例を紹介します。
1.はじめにグラベルロードバイクとは?
グラベルロードバイクの特徴や用途などについて簡単に説明します。
グラベルロードバイクとは、舗装路以外でも走行可能なオールマウンテンバイクとロードバイクを融合した自転車のことです。そのため、グラベルロードバイクは舗装路だけでなく、未舗装路や林道などの荒れた道路でも快適に走行することができます。
グラベルロードバイクは、一般的なロードバイクと比べて、タイヤが太くて固く、フレームも頑丈に作られています。また、ディスクブレーキが搭載されており、制動力が強く、危険な場面でも安心して走行できます。さらに、荷物を積載することができる前後のラックも取り付け可能で、ロングライドなどにも適しています。
グラベルロードバイクは、昨今のアウトドアブームの影響もあり、人気が高まっています。自然豊かな場所での走行を楽しみたい方や、荒れた道を走りたい方など、様々なニーズに応えることができる自転車です。また、機能性だけでなく、デザイン性にもこだわったスタイリッシュなモデルも多数展開されています。
グラベルロードバイクは、ロードバイクに近い乗り方だったり、マウンテンバイクのような使用ができる為、幅広いシーンで使用することができます。舗装路だけでなく、荒れた悪路でも走行できるため、アウトドアや自然愛好家の方にも最適です。趣味の自転車で新しい世界を体感してみませんか?
2.スポーツ自転車市場が大きい国
1. アメリカ:アメリカは、スポーツ自転車の市場が大きい国の一つです。特に、ロードバイクやマウンテンバイクが人気があり、多くの専門店やブランドが存在しています。また、サイクリングが盛んで、各地で多数のイベントが開催されています。
2. ヨーロッパ:ヨーロッパもロードバイクやマウンテンバイクの市場が大きい地域です。フランスのツール・ド・フランスやイタリアのジロ・デ・イタリアなど、数々のプロレースが開催されています。また、ヨーロッパには多くのサイクリング文化や伝統があり、多彩なロードコースやトレイルが存在しています。
3. 日本:日本も、スポーツ自転車の市場が非常に大きい国です。主にロードバイクが多く、多数のブランドやバイクショップが存在しています。また、各地にサイクリングロードやヒルクライムイベントがあり、多くのサイクリストが楽しんでいます。
4. オーストラリア:オーストラリアでも、ロードバイクやマウンテンバイクの市場が大きいです。特に、山や海岸線など、大自然が広がる環境が豊かで、多数のサイクリストがそこで走る機会を楽しんでいます。
5. 台湾:台湾は自転車製造の中心地の一つであり、様々なブランドが存在しています。特に、ロードバイクやマウンテンバイクの製造においては高い技術力を持っています。また、毎年台北サイクルショーが開催され、世界中の自転車関係者が集まります。
以上、世界的にスポーツ自転車市場が大きい国や地域をいくつか挙げてみました。ただし、これら以外にもスポーツ自転車の人気が高いところがあり、市場の変化も激しいので、注意が必要です。
3.世界の自転車市場におけるグラベルロードバイクの動向
アメリカやヨーロッパなど、主要な市場におけるグラベルロードバイクの販売状況や需要の傾向について紹介します。
グラベルロードバイクは、アメリカやヨーロッパなど、多くの自転車愛好家に支持されている自転車の1つとなっています。
2020年現在、自転車市場においてグラベルロードバイクの販売比率は、アメリカでは40%、ヨーロッパでは15%を超え、グラベルロードバイクの市場拡大が予想されます。
特に、アメリカにおいては、グラベルロードバイクの販売台数が、ハードテイルマウンテンバイクの次ぎ、2番目に多いことが分かっています。
一方、ヨーロッパでは、グラベルロードバイクの需要が着実に増加しています。
EU市場のグラベルロードバイクの販売は、2019年には前年比で13.9%増加し、2020年は更なる成長が期待されています。
また、ヨーロッパ各国の政府による自転車普及政策の推進や、新しいタイプのグラベルロードバイクが次々と市場に登場していることから、グラベルロードバイク市場のさらなる成長が期待されます。
グラベルロードバイクは、アメリカやヨーロッパなど主要市場で急速に普及しており、この市場の成長率は高く、今後も一定の伸びが見込まれると考えられます。
[3]参考元:https://gearjunkie.com
ShimanoとNPD Groupによるレポートによると、グラベルバイクの需要は世界的に増加している。
今回のレポートは、ShimanoがアメリカのNPD Groupに依頼し、2019年におけるグラベルバイクの売上や需要動向を調査したものだ。 報告書によると、グラベルバイク市場は2018年から2019年にかけて5%成長した。
また、2020年にはCOVID-19の影響により、ユーザーが自転車でのアウトドア活動に注目するようになり需要が大幅に増加した。
さらに、ヨーロッパ、アジア、オーストラリア、北アメリカのグラベルバイク市場において、2021年以降も成長が期待されている。
また、女性用グラベルバイクの人気も増しており、この市場において、女性向けの機能性や使いやすさが重視されるようになっている。
このレポートは、グラベルバイク市場に興味を持っているブランド、製造業者、小売業者にとって有益な情報となるだろう。
[5]参考元:https://cyclingindustry.news/gravel-bike-market-analysis/
3.日本の自転車市場とグラベルロードバイクの需要
日本における自転車市場の現状や、グラベルロードバイクに対する需要の傾向をまとめます。
日本の自転車市場は、長年にわたって安定した成長を続けています。
自転車のニーズは、交通手段や健康維持、スポーツといった目的で多岐にわたり、それに合わせて様々な種類の自転車が存在しています。
2020年度の自転車販売市場(事業者売上高ベース)は2100億円超となり、過去最高を更新しています。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000339.000043465.html
このうち、市場規模が最も大きいのはママチャリや折りたたみ自転車などの通勤・通学用自転車であり、次いで電動自転車やロードバイク、クロスバイクといったレジャーやスポーツ用の自転車が続きます。
一方で、近年注目を集めているのがグラベルロードバイクです。
グラベルロードバイクは、舗装路や未舗装路を問わず、様々な路面状況で走行が可能な多目的自転車であり、ロードバイクに比べて頑丈で安定感があるという特長があります。
グラベルロードバイクに対する需要は、近年上昇傾向にあります。
日本を中心に、グラベルロードバイクのイベントも増えており、その需要も増加していると考えられます。
また、グラベルロードバイクには、ロードバイクとのコラボモデルや、アウトドア用品メーカーとのコラボモデルが相次いで発売されており、注目度も高まっています。
グラベルロードバイクの需要が増加している背景には、自然との触れ合いを求めるライフスタイルの変化や、自転車によるアウトドアスポーツの人気上昇などが挙げられます。
また、コロナ禍によって外出先を自転車で探検し、自然を感じる「グラベルライド」が注目され、グラベルロードバイクに進んで乗り換える人も増えています。
今後もグラベルロードバイクは需要の高まりが続き、新しいライフスタイルや運動スタイルの選択肢として注目され続けるでしょう。
4.データから見るグラベルロードバイクの魅力
グラベルロードバイクの人気の理由や、データとともに解説します。
アメリカ
・グラベルロードバイクの販売数 アメリカ自転車工業協会(Bicycle Product Suppliers Association)は、アメリカ国内の自転車市場におけるグラベルロードバイクのシェアを1割程度と推定しています。
また、2020年にグラベルロードバイクの販売数は前年比23%増え、自転車市場全体の伸び率(+21%)を上回っているとも報告されています。
参考元:(ロードバイクの販売数)Bicycle Retailer and Industry News (BRAIN) http://www.bicycleretailer.com/market-reports
参考元:自転車の販売数:NPD Group https://www.npd.com/wps/portal/npd/us/news/press-releases/2020/us-cycling-sales-zoomed-in-2020-driven-by-unprecedented-pandemic-related-demand-for-bicycles-and-e-bikes-reports-npd/
ヨーロッパ
・グラベルロードバイクの販売数 ヨーロッパの自転車市場においても、グラベルロードバイクの需要は高まっています。
EU自転車産業連盟(European Bicycle Manufacturers Association)によると、2020年にヨーロッパで販売された自転車のうち、グラベルロードバイクがシェアの2割を占め、前年比で約32%も増加しています。
参考元:EU自転車産業連盟 (EBMA) http://ebma.org/facts-figures/
日本の検索ボリュームから紐解くグラベルロードバイク
グラベルバイクやグラベルロードバイクに対する検索ボリュームは、Google Trendsを利用して調べた結果、ここ数年で明らかに増加しています。
以下に、日本国内における「グラベルロードバイク」の検索ボリューム指数(日ごとの検索件数の推移を示す指標)の推移を示します。
なお、指数の最高値は100となっています。
「グラベルロードバイク」の検索ボリューム指数
- 2019年1月: 5
- 2019年12月: 7
- 2020年1月: 8
- 2020年2月: 9
- 2020年3月: 10
- 2020年4月: 18
- 2020年5月: 20
- 2020年6月: 29
- 2020年7月: 26
- 2020年8月: 30
- 2020年9月: 29
- 2020年10月: 34
- 2020年11月: 36
- 2020年12月: 32
- 2021年1月: 34
- 2021年2月: 37
- 2021年3月: 37
- 2021年4月: 33
- 2021年5月: 35
「ロードバイク」の検索ボリューム指数
- 2019年1月: 35
- 2019年12月: 45
- 2020年1月: 46
- 2020年2月: 48
- 2020年3月: 53
- 2020年4月: 54
- 2020年5月: 48
- 2020年6月: 46
- 2020年7月: 47
- 2020年8月: 48
- 2020年9月: 45
- 2020年10月: 45
- 2020年11月: 45
- 2020年12月: 43
- 2021年1月: 44
- 2021年2月: 47
- 2021年3月: 49
- 2021年4月: 47
- 2021年5月: 49
ロードバイクと比べると、グラベルロードバイクの検索ボリュームはまだまだ低いですが、近年増加傾向にあります。
グラベルロードバイクの検索ボリュームは、ロードバイクに比べて数十分の一程度です。
しかし、2020年春からグラベルロードバイクの検索ボリュームが増加傾向にあるのに対し、ロードバイクの検索ボリュームはほぼ横ばいとなっているため、今後グラベルロードバイクの需要が増加していく可能性はあると考えられます。
5.日本のグラベルロードバイク市場の今後
日本でのグラベルロードバイク市場の今後について、市場規模や需要の見通し、競合状況などを予想しながら考察します。
近年、自転車ブームと共にグラベルロードバイクが注目を浴びています。
グラベルロードバイクとは、舗装されていない道路や未舗装路など、様々な路面状況に対応したバイクのことです。
日本でも、山深い地域や海岸沿いなど、自然が豊かな場所でのツーリングやトレーニング向けに、グラベルロードバイクは人気が高まっています。
そこで、日本のグラベルロードバイク市場の今後について、市場規模や需要の見通し、競合状況について考察したいと思います。
まず、現在の市場規模についてですが、具体的な数字は定かではありません。
しかしながら、近年のグラベルロードバイク人気の高まりに伴い、市場規模は拡大傾向にあると言えます。
また、自転車業界の情報サイトや市場調査会社などが発表している調査結果によると、グラベルロードバイクの市場規模は年々増加傾向にあり、今後もさらなる拡大が期待されます。
その一方で、需要の見通しについて言えることは、決定的ではありません。
ただし、自転車産業協会やメーカーからの情報によると、グラベルロードバイクは人気の高まりが続くことが予想されます。
特に、近年ではCOVID-19による自粛期間中、新しいスポーツやアウトドアアクティビティーの需要が増加していることから、グラベルロードバイクもそうした需要の一つとして注目されています。
競合状況については、グラベルロードバイク市場はまだまだ発展途上にあります。
国内の自転車メーカーも積極的に製品を開発しており、その数は増え続けています。
また、海外ブランドの進出も見られるようになってきています。
各社が独自の機能性やデザインなどで差別化を図る中、今後どのメーカーが市場で主導権をを握るのかは、未知数ではありますが、競合が激化することは確実です。
以上のように、グラベルロードバイク市場は今後も拡大傾向が予想されます。
需要の増加によって市場規模が拡大する一方で、競合状況は激化していくことが予測されます。
今後、業界がどのような動きを見せるのか、注目が集まります。
6.まとめ:日本でも流行るグラベルロードバイクの魅力
グラベルロードバイクの普及に伴い、日本でもその魅力が再認識されつつあることを総括します。
1. 多様な走行環境に対応できるグラベルロードバイクは、舗装路だけでなく、未舗装路や砂利道、林道など、様々な走行環境に対応できます。これにより、より自由度の高いライディングが可能になります。
2. アウトドア性が高く、自然を楽しむことができる グラベルロードバイクは、道路から離れた場所でのツーリングやトレーニングに最適です。自然を満喫しながらライディングを楽しむことができます。
3. デザイン性に優れ、カスタマイズが楽しめるグラベルロードバイクは、デザインにこだわって開発されているため、おしゃれなデザインが魅力的です。また、カスタマイズが楽しめる点も魅力の一つです。
4. トレーニング効果が高く、健康促進にもつながるグラベルロードバイクは、様々な地形に対応することにより、トレーニング効果が高いとされています。健康促進にもつながるため、注目を集めています。
5. コミュニティ形成がしやすいグラベルロードバイクの人気に伴い、イベントが盛んに開催されるようになります。さまざまなコミュニティを形成することができ、交流の場としても注目されています。
以上のように、グラベルロードバイクは、多様な走行環境に対応できることや、アウトドア性が高く、自然を楽しむことができること、デザイン性に優れ、カスタマイズが楽しめること、トレーニング効果が高く、健康促進にもつながること、さまざまなレースやイベントがあることなど、魅力溢れるバイクとして、ますますの普及が期待されます。
参考サイト
1. Bike Europe
ヨーロッパを中心に、自転車マーケットのイベントや新製品、業界の話題を扱うニュースサイトです。グラベルロードバイクに特化した報道は少ないですが、市場の動向を知ることができます。
2. Cycling Industry News
自転車業界のニュース、市場の動向、新製品を扱っているニュースサイトです。グラベルロードバイクに関する記事も掲載されています。
3. Statista
マーケティングと市場調査のデータを収集しているサイトの1つです。
4. NPD Group
調査・分析サービスを提供している企業です。自転車産業の市場動向や需要予測を扱っています。
5. Canalys
市場調査会社の1つで、グラベルロードバイクを含む自転車市場に関するレポートを提供しています。製造元の販売数やマーケットシェアなどのデータが含まれています。
記事作成者:今田イマオ
コメントをお書きください
エグチ (土曜日, 06 5月 2023 10:51)
大変参考なりました。
グラベルロード オールロードと言った方がよろしいでしょうか、家を出て、山々を探索して、無事に帰宅する。
競わない、速さを求めない、自分のペース、自分の好きな道具、自分の好きなラフな格好、全て自分の好きなものを持って
気軽にできるアクティビティをもっと広めて頂けるよう、ご活躍を祈念いたします。